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07.15
Wed
雨上がりの道路に、発情期のような猫の声が響いている。
どこかの家の二階のベランダに、茶色い毛がすこし混じった白い猫、そばの室外機の上に黒い猫がいて、独特の鳴き声を伸ばしながら睨み合っていた。
恋ではなくて喧嘩のようだ。

そう思っている間に、突然、白い猫が黒い猫に飛びかかった。
二匹が声を荒げてだるまになったかと思うと、もう道路を駆けている。
二階から道路までどうやって下りたのか、私には全く見えなかった。
絡まり合ったときに抜けた毛が、小さな丸いかたまりになって、ふわふわと、たんぽぽの綿毛のように飛んできた。

二匹は、こんどは向かいの家の鉢置きの下に入って、また声を上げ、睨み合いをつづけている。
と、その家の中からおばさんが出てきた。
家の前でこうも鳴かれて喧嘩をされては迷惑だからと、追っ払うのかと思いきや、おばさんは勢いのある怒り口調で、喧嘩に参加しはじめた。
おばさんの早口で巻舌でまくしたてる声がいちばん迫力がある。

どうやらおばさんは黒猫に加勢したらしい。
私が振り返ると、白い猫がそそくさとその場を離れていくところだった。



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