夏。
寝苦しさで目が覚めて、それからどうにも、眠れなくなる。
外は暗い。じっとする。
闇がようやくやわらんできた頃、遠くの方でカラスの鳴く声。
しばらく後、きれいな鳥の声。
蝉が一匹。
小型の船が一艘通り過ぎる。
だいぶ遅れて波が幾重にも打ち寄せる。
空に赤みがさしてくる。
長い貨物列車が走る音。
オレンジ色と水色の対岸の明かりが、薄く遠くなっていく。
ぜんぶが薄白さの中に浸されたようになる。
歩く人の鈴の音。
見上げると、街燈はまだ慎ましくついている。
渡船に、今日の運行のためのエンジンがかけられる。
気がつくと、真丸い真赤な太陽が姿を現している。
いつの間にか街燈は消えている。
音が重なりはじめる。
蝉の重奏。
朝になって、眠くなる。

寝苦しさで目が覚めて、それからどうにも、眠れなくなる。
外は暗い。じっとする。
闇がようやくやわらんできた頃、遠くの方でカラスの鳴く声。
しばらく後、きれいな鳥の声。
蝉が一匹。
小型の船が一艘通り過ぎる。
だいぶ遅れて波が幾重にも打ち寄せる。
空に赤みがさしてくる。
長い貨物列車が走る音。
オレンジ色と水色の対岸の明かりが、薄く遠くなっていく。
ぜんぶが薄白さの中に浸されたようになる。
歩く人の鈴の音。
見上げると、街燈はまだ慎ましくついている。
渡船に、今日の運行のためのエンジンがかけられる。
気がつくと、真丸い真赤な太陽が姿を現している。
いつの間にか街燈は消えている。
音が重なりはじめる。
蝉の重奏。
朝になって、眠くなる。

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