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12.29
Wed
昨日が今年最後の営業日でした。

今年もたくさんの方にお世話になりました。

ありがとうございます。

この場所にいられる縁と関係性のなかで色々な自分を育てていけたら。

そんな気持ちで 2022年迎えたいと思います。

年始は、3日(月)4日(火)

カヌレを焼いてお待ちしています。

皆さまどうぞよいお年をお迎えください。



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12.16
Thu
遠く前方にちらちらと何か動くものが見える。
犬のしっぽのようだと思う。
籏のようなものが風に揺れているだけかもしれないとも思う。
だけどそのちらちらした動きに光があるので、きっと生き物にちがいないだろうと思う。
しばらくすると、そのちらちらしたものが歩道に出てきたので、やっぱり犬のしっぽだったのだと分かった。
犬はむこうから、私はこちらから歩いて、だんだんと距離が縮まる。
近づくとだいぶんと歳をとった犬だと分かる。
年老いた野犬。
どこか方向が定まらないふらふらとした歩き方をしている。
大きな目はどこか遠くを見ているようだ。
もうあまり現実は目に入っていないのか、車が走っている車道にとくに考えもない様子で出ていく。
こちらの車線では車が犬を大きく避けて走り過ぎ、むこうの車線では犬に気づいた車が一時停止して、犬は道路を渡り神社の方へと歩いていった。

そんな光景を見てからしばらく行くと、こんどは二匹の犬が前方から歩いてくる。
私はこれまで野犬にあっても野犬という印象を受けたことがなかった。
みな捨てられた飼い犬という印象で、人なつっこいような、優しい愛くるしい顔をしているのだ。
けれどこの二匹の犬の表情はちがった。
その表情に生やさしさや甘えはなく、おごそかな厳しさとたくましさをたたえているように見えた。
力強い足取りで歩いてくるその体つきにも、筋肉の弾力が見えるようなたくましさがある。
その二匹が急ぐ様子で私が今来た方へと向かっていく。
私にはこの二匹が先ほどの老犬のもとへ急いでいるように見えた。
あの老犬は死が近いのだろうか。
何が起こるにせよ、二匹はそこに駆けつけ、そこで起こることを見、体験し、それを自分の一部として生きていく。
そんな印象を受けた。




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