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06.25
Thu
二階に上がって洗濯ものをたたんでいると、薄く声が聞こえた気がして降りてみたら、隣のじいさんがドアのところに立っていた。

「これ少しだけど採ってきたから。」と差し出す手に握られているのは、ずいぶんと貧弱な筍だ。
親指くらいの太さしかないひょろながで、関西で春に見る筍とは比べものにならない小ささで、
思わず「ちっちゃ!」と声に出しそうになる。

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「根曲がり竹。」仲間といっしょに岩手と秋田の県境にある秋田駒ケ岳で採ってきたのだという。
笹の若芽で、5月から6月にかけて採れるのだそうだ。

「すこし切れ目を入れて皮が真っ黒になるまで焼いてマヨネーズで食べるといいから。」
そう言われて、その夜、言われた通りに全体が黒く焦げるまで焼き、少し冷まして皮を剥く。
先端の方はすべて皮で、食べられる部分は筋ばった皮の中に大切にしまわれているところは私が知っている筍と同じで、小さいぶん余計に食べてしまうのがもったいない気がしてくる。
何もつけずにひと口かじってみると、とうもろこしのような甘さが口の中に広がった。
たけど噛んでいくと、まさしく筍の味。おいしい!
アスパラガスを食べるような感覚だけど、マヨネーズもいける!



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06.04
Thu
「10年後の自分へ宛てた手紙」
30代 店長


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 中学生の自分の字を追いながら、ことごとく真逆の人生送ってるからねー。と、いたずらっぽく笑う彼は、もうすぐ7ヶ月になる男の子のパパ。お金はひとりで使うもの、という14才の彼の教えはどこへやら、一家を支える大黒柱になっている。
 先日、手紙の中でハゲ呼ばわりされていた親父さんが育てたレタスを頂いた。一枚一枚がしっかり分厚くて、勢いのある葉っぱがシャキシャキして、すごくおいしかった。
 そのレタスの歯ごたえが、ミュージシャンではなく、今はセレクトショップの店長として多忙な毎日を送っている彼の勢いと重なる。さすが、同じ人間が育てただけあるな、なんて思ってみたりする。


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それぞれの時代で確かに存在した季節。
企画展「小市民的青春館」は喫茶室企図企図にて。



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